「晩年の岸辺」



(作品No.35 2002/4月 画紙:ARCHES 51×36 絵の具:HOLBEIN)

デザイナーの次田氏とジャケット撮影の為のロケハンをしてる途中で見つけた風景です。
以前「淋しくないか?」と言うタイトルでスケッチを載せていたものですが別の角度から描きなおしました。

高度成長期にはさぞや働き者であったろう建物が、
今は廃屋のような佇まいで、運河が分岐する油の水辺で傾いています。
看板には「○○マリーナ」の看板があるのですが、とてもマリーナと呼べる代物ではなく、
対岸の新しいマンションや、覆い被さるような高速道路を見ながら引退の日まで静かに働いています。
建物を取り囲む、鉄の船と廃材を処理するクレーンと船を引き上げる為の錆びたレール・・・
発展と退廃の交錯する・・・胸がきゅんと鳴る・・・何とも悲しい風景でした。
ひょっとして自分を見ているのか?

朽ちるまで見届けたい場所です。


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