「銀色の夜」


(作品No.51 2002/9月 画紙: ARCHES 36×51 絵の具:HOLBEIN)
第30回サロン・デ・ボザール展 誌上入選作
第8回 IIAC(インターネット国際アートコンテスト) 入選


37分」

僕の揉め事に 君は今夜も冷静だ
僕の悩みにシンクロしない 君の強いやさしさが気に食わない
ひどい言葉を投げつけて夏の夜に出た

枝の葉はきらきらと月を受け 屋根も道も白かった


ユキノヨウナ モノクロノ路地


28分も満月の街を泳いだ
そろそろ君から電話が入るはず・・・僕は電源を切っている

あと5
謝るのはまだ早い
銀色の夜にマトモじゃつまらない
濃い影を引きながら遠回りする
月光に増幅する悪戯な心

あと3
怒ったふりをしてみよう
銀色の夜にまともじゃつまらない
男の怒りはいつもポーズ・・・
馬鹿馬鹿しくて口が緩む自分に気が付いた
なんだ!笑えるじゃないか
すこし安心した
やっと満月に背を向けた

電源を入れると
君からの着信が37回入っていた





新千歳空港の南、湿原の中にあるウトナイ湖です。
取材した時は夕方なんです。ごめんなさい、また嘘を描いてしまいました(笑)。
だって月が出るまで待てなかったんだもん。月夜のウトナイ湖を見たかったんだもん。

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