「黄色の凪と 白い時間」



(作品No.39 2002/5月 画紙:WHATMAN F6 絵の具:HOLBEIN)

北川温泉第4弾です。
当日はどんよりと曇り空。海の色も空の色も悪く、とても絵にならない色でした。
よって彩色にあたってはまったくの心象世界とさざるをえません。
とは言え見たままに色を付けることをあまり好まない僕は、そんな条件などどうでも良かったのです。
ロープに繋がれてゆらゆらと揺れる漁船・・・・その雰囲気・・・その構図が僕にとってはなによりの動機。
海全体をまっ黄っきに塗るになんのためらいもありませんでした。

海がこの絵のポイントだと思います。その手順だけ書いてみます。
まず、かなり濃く溶いた紺色で写り込み以外の波を描き、次に薄く溶いた紺で移りこみ部分の波。
次に黄色を写り込み以外の海全体に均一に塗りつめます。紺の部分もお構いなしで上から。
そうすると最初に塗った紺が緑味を帯びます。その後さらに紺を要所ゝに乗せてゆきます。
隙間に緑を残しながら・・・。
次は、そこまでに出た緑の質感とあわせて遠い海に多少“えぐめ”の緑をアクセントに流す。
さらにその緑の上の所々に紺をにじみとして置き、完成。
海だけで30分ぐらいでしょうか・・・コンセプトが見えた時筆は早いものですね。

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